「びわこふきん」とは?
口コミで人気が広がり、着実にファンを増やしている「びわこ」という名のふきん。皆さんはご存知でしょうか。「びわこふきん」という呼び名で親しまれています。
洗剤を使わずに食器洗いができるという商品です。
日本独自のガラ紡という糸の紡ぎ方で綿を紡いで作られているため、太さが不揃いで温もりを感じる見た目が特徴的です。
このガラ紡製法のおかげで、水や油をよく吸うため、洗剤を使わなくても汚れを落とせるのだそう。
1970年代、合成洗剤に含まれるリンによる琵琶湖の汚染が問題となりました。
そして周辺住民がリンを含む合成洗剤の追放運動を行っていた頃、このびわこふきんが誕生したのです。
「SDGs」や「サステイナブル」が話題となっている今、環境を守りたいという思いから生まれたこのふきんが改めて見直されているのですね。
基本情報
製造元 | 朝光テープ有限会社 |
素材 | 綿100% |
大きさ | 32cm×35cm(他のサイズもあり。詳しくは下のびわこふきんの種類を参照。) |
びわこふきんの特徴
日本独自のガラ紡という糸の紡ぎ方で綿を紡いで作られています。
太さが不揃いで、温もりを感じる見た目が特徴。このふんわりとした綿が、汚れをからめ取ってくれます。もちろん吸水力も抜群です。
写真だと少し分かりにくいですが、無蛍光のびわこふきんは綿本来の生成り色で、綿カスが混ざっています。
綿カスは、綿の葉などが細かく砕けたものなので無害ですし、使ったり洗ったりしているうちに自然と落ちていきます。
こちらは一般的な32cm×35cmのびわこふきんです。
女性の手の大きさと比べるとこれくらいのサイズ感。一般的にお皿拭きに使うふきんと、同じくらいの大きさですね。
びわこふきんを使ってみた
びわこふきんを2枚買ったので、1枚は台所用、もう1枚は洗顔用として使用しています。
実際に使ってみた感想や、使い方の工夫などをご紹介します。
食器洗い
洗剤なしで食器の汚れが取れるのか?
・油が付いていない食器・・・余裕で洗える
・油ものだが汚れがひどくない食器・・・洗える
・フライパンなど油汚れがひどい場合・・・工夫が必要
私が使った感想としては、上記のような感じです。
軽い油汚れくらいなら、びわこふきんだけできれいに洗えます!
ただし、油汚れがひどいものは、びわこふきんだけで汚れを取り切るのは難しいかなと思います。
それから、汚れは落ちていても、洗い終えた後の食器のキュキュッとした輝きは洗剤を使わないと出ないかなと感じます。その点を踏まえつつ、びわこふきんを使った食器洗いについて、私なりのやり方は下で詳しく書いていきますね。
布だけで食器洗いできることに感動! 「油ものは絶対にしっかり泡立てた洗剤で洗わなきゃいけない」という固定観念が壊されました。
たどり着いたびわこふきんでの食器洗い方法
【びわこふきんを使った私の食器洗い方法】
・基本はごく少量の洗剤をつけて洗う。
・油汚れがひどいフライパンなどは、あらかじめスプレー洗剤をかけておく。
最初は、少々の油汚れなら完全に洗剤なしで洗っていました。それで汚れ自体は十分落ちているようでしたが、食器用洗剤で洗った後に比べると表面が少し曇っているように感じました。
食器用洗剤で洗うと、やはり表面がピカピカで輝きが違うので、結局少量は洗剤を付けて洗っています。
また、洗剤を少し付けたほうが摩擦が軽減されるので、スルスルと洗いやすいという理由もあります。
ただし、洗剤を使うといってもモコモコに泡立てる必要はないため、チョンとごく少量つけるだけで十分です。
油汚れがひどいものに関しては、あらかじめスプレータイプの洗剤をかけておきます。
スプレーをかけておくと、お湯で流すだけで大半の汚れが落ちるので、あとは他の食器類と同じようにびわこで洗えば完了です。
油汚れを落とすスクレーパーも気になっているところ。スクレーパーを使えば、スプレー洗剤は要らないかも…?
洗顔
びわこふきんで洗顔してみた感想
びわこふきんで洗うと、肌がツルツルとした手触りになりました!
優しく撫でるように洗うと、綿の繊維が古い角質をからめ取ってくれるようです。
今までは洗顔料をモコモコに泡立てて手で洗っていましたが、それだと余分な皮脂まで取ってしまっていたのかもしれません。
びわこふきんでの洗顔方法
濡らしたびわこふきんで優しく撫でるように洗顔します。力を入れると摩擦が強くなってしまうので、あくまでも優しく優しく。
石けんはお好みに合わせて、有りでも無しでもどちらでもOKです。
私の使い方としては、朝は化粧ノリをよくしたいので、ザラザラする鼻のあたりだけは洗顔料を使います。ちなみに混合肌です。
夜は、W洗顔不要のメイク落としでメイクを落とした後、お湯で濡らしたびわこふきんで全体を洗います。
メイクをしなかった日は、びわこふきんのみで洗うか、油分が気になる時は軽く石けんを付けて。石けんはモコモコに泡立てなくても、ほんの少し付けるだけで十分洗えます。
基本的に、頬などは軽く滑らせるだけですが、毛穴汚れの気になる部分はクルクルと円を描くように撫でて洗っています。
今までは、過剰に洗顔して過剰にスキンケアしていたのかもなぁ…。
びわこふきんのお手入れ方法
パッケージには以下のように書かれています。
「清潔法:石けんをつけて煮沸か酸素系漂白剤で消毒。」
私は過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で漬け置きしています。
頻度は、台所用のびわこは他のふきん類と一緒に毎日漬け置き。洗顔用のほうは基本的には石けんで手洗いで、だいたい1週間に1度くらい漬け置きで漂白するようにしています。
漂白を繰り返していると、無蛍光のびわこは新品の時の色よりも白くなっていきます。(特に、最初はハイターを使っていたので、かなり白くなりました。)
なので、元の自然な生成りの色合いを保ちたい場合は煮沸消毒がいいのかもしれません。使い込んで、風合いが徐々に変化していくのも味わい深いですけどね。
ちなみに、一度だけ洗顔用のびわこふきんを洗濯機で洗ってみたのですが、たった1回で繊維が毛羽立ってしまいました。
とても丈夫でガシガシ使えるびわこですが、洗濯機とは相性が悪いようなので注意です。
最初は手洗いが面倒かなと思っていましたが、毎日の習慣になると、なんてことはありません。白くなったふきんを干すのも、とても気持ちいい!
びわこふきんはエコ?
「洗剤を使わずに洗えるからエコ」ということで話題になっている、びわこふきん。
せっかくなので、「なんとなくエコっぽいから」ではなく、何がどうエコなのか理解して使いたいものです。これを機に、改めて調べてみました。
洗剤と環境の関係
洗剤に含まれる界面活性剤は自然界で分解されず、川や海に直接流すとそのまま残り続け、水を汚染するのだそうです。
しかしながら、現在は下水道や浄化槽の整備が進み、大半の生活排水は浄化されてから川などに戻されています。
令和2年度末における全国の汚水処理人口普及率は、92.1%(昨年度の調査より0.4ポイント増)となりました。
国土交通省「令和2年度末の汚水処理人口普及状況について」より
全国平均で見ると、日本の人口の9割以上が汚水処理されているということです。
となると、「洗剤をたくさん使っても問題ないのでは?」と思ってしまいそうですが、汚水の処理には電力等の大量のエネルギーが必要です。
下水道事業は、公衆衛生の確保、浸水の防除及び水環境の保全に大きく貢献していますが、同時に、下水処理工程で大量のエネルギーを消費し、温室効果ガスを排出しています。
公益社団法人日本下水道協会「下水汚泥のエネルギー利用の必要性」より
近年では、食器用洗剤が直接的に川や海を汚染するというより、汚水の処理にエネルギーを消費することで間接的に環境に悪影響を及ぼすということですね。
環境省の『生活排水読本』によると、生活排水の約40%が台所からの排水とのこと。トイレやお風呂でも大量に水を流していることを考えると、台所だけで半分近い割合を占めているのは少し驚きです。
このことから、特に食器用洗剤の使用量を減らすことは、汚水処理施設の負担を減らすために大きな意味があると考えられます。
ちなみに、合成洗剤に含まれるリンの環境への悪影響が問題となり、それがびわこふきん誕生のきっかけにもなったわけですが、現在の日本の家庭用洗剤は、ほぼ全てリンを含まない無リン洗剤になってるそうです。
びわこふきんはエコなのか
上記の、洗剤と環境の関係性をふまえつつ、びわこふきんを使うことがどうエコなのか整理してみます。
まずは、食器用洗剤を使わずに、もしくはごく少量使うだけで食器洗いができるので、汚水処理場の負担を減らすことにつながります。
食器洗い以外でも、洗顔や体を洗うのにびわこふきんを使えば、石けんの使用量も減らせますね。
また、食器洗いスポンジのように使い捨てることがないので、ゴミの削減にもなります。スポンジはすぐにヘタってしまうし、漂白や煮沸消毒などのお手入れをせず、汚れてきたら新しいものに交換する人が多いのではないでしょうか。
びわこふきんなら、お手入れをしてしっかり乾かせるので常に清潔に保てます。また、私は使い始めて3ヶ月経ちましたが、全然ヘタることなく使い続けられています。
無理のない範囲で、エコな暮らしを実践できますね!
びわこふきんは経済的?
びわこふきんは、一般的なふきんに比べると少しお値段が高く見えますが、実際のコスパはかなりいいと思います。
びわこふきんの経済的なポイント
・食器洗いスポンジを定期的に買い替える必要がない。
・洗剤の使用量が少なくて済むので、洗剤の費用も浮く。
・台拭き、シンク洗いスポンジ、食器洗いスポンジなど、1枚で何役もこなす。
・丈夫で長持ちする。
最初は値段が高く感じるかもしれませんが、使ってみると十分に値段の価値があるどころか、お値段以上なふきんです。
びわこふきんの種類
「びわこふきん」にはいくつか種類があるみたいだけど、どれを選べばいいの…?
大きさや目の粗さが異なる、3つの種類があります!
用途に合わせて選ぶのがおすすめです。
ネット上で調べられる範囲では、一般的な「びわこ」・「和太布」・「びわこα」の3種類がありました。
以下、それぞれの種類について詳しくご説明していきます。
一般的な約32cm×35cm(生成・白の2色)
32cm×35cmのふきんのタイプが、最も一般的なびわこふきんです。
色は、基本は綿本来の色の「生成」ですが、漂白した「白」という色タイプも販売されています。
生成タイプも、使って漂白を繰り返しているうちにだんだん白くなっていきますし、綿カスも自然と落ちていきます。なので、生成も白も、使う上で特に違いはないと思います。
白タイプは最初から見た目がきれいなので、贈り物にはいいかもしれません。
和太布(わたふ)約34cm×55cm(生成・白の2色)
一般的なびわこふきんが食器洗いのために誕生したのに対し、和太布は食器拭きのために作られました。
一般的なびわこふきんより目が細かく、密度が高くなっています。そのため吸収力が抜群で、食器拭きや手拭きに使ったり、タオル代わりに使用したりするのにぴったりです。
大きさも34cm×55cmと、普通のびわこふきんより大きいサイズです。
こちらも色は生成と白の2色あります。
びわこα(アルファ)約32cm×100cm(生成・白の2色)
こちらは浴室で使うためのタイプです。一番大きいサイズですね。
普通のびわこふきんや和太布も洗顔や体洗いに使用できますが、「びわこα」は、よりお風呂で使いやすいようになっています。
石けんを使わずに体を洗えるので、アトピーなど皮膚の弱い方にも適しているそう。
目の粗さは、一般的なびわこふきんと和太布の間くらいのようです。
こちらも色は生成と白の2色。
最後に
びわこふきんの魅力
・洗剤や石けんの使用量を減らせる→エコ
・丈夫で長く使える→経済的
・しっかり洗えて乾きが早い→衛生的
・1枚で何役もこなせる→物を減らせる
当初、よかった点と悪かった点を両方挙げて記事にしようと思っていたのですが、実際に使ってみると悪い点が見つかりませんでしたね…。
手に入りにくいほど人気なのも、うなずけます。
古くからある商品でも、やっぱり「いい物はいい」のだと実感しました。
人気がゆえに、購入数に制限がある場合がありますので、買える時に余裕を持って購入しておくのがおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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